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Channel: 劇団四季 四季なびgation 02
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三島文学の真骨頂!――『鹿鳴館』東京公演 稽古場レポート

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東京・自由劇場で6月2日(日)に開幕する三島由紀夫作『鹿鳴館』。この日本を代表する文豪と縁浅からぬ劇団四季が魅せる傑作戯曲に、現在、『ヴェニスの商人』以来の客演となる平 幹二朗氏をはじめ、四季の熟練の俳優たちが挑んでいます。 130520roku_001.jpg 『鹿鳴館』稽古の様子。 時は明治19年。文明開化に沸く東京では、その象徴ともいえる鹿鳴館で、夜ごと華やかな舞踏会が催されます。しかし、その裏では複雑に絡まりあった愛憎と陰謀が轟々と渦巻いているのでした。 内閣の大臣を務める影山伯爵と妻の朝子、そして朝子のかつての恋人であり、今は影山伯爵の政敵である清原永之輔、その清原と朝子の間に生まれた息子である久雄、さらに久雄の恋人・顕子。親と子、夫と妻、男と女…幾重にも重なりあう宿命的な人間関係とともに、次々に明らかにされる政治的陰謀。甘美なメロドラマでありながら、その台詞は知的で豊穣な言葉に溢れ、劇的興奮とスリルに満ちて終幕へと突き進んでいく物語は、まさに三島文学の真骨頂といえる舞台です。劇団四季では2006年に初演されるや否や、日本演劇界の新しい時代を切り開いたとまでいわれる激しい反響を呼び、ストレートプレイとしては異例の半年間に及ぶロングランを成功させました。 そして、今回の再演にあたり、カンパニーに新たに加わったのが、一昨年『ヴェニスの商人』で36年ぶりに四季の舞台を踏んだ名優・平 幹二朗氏。影山伯爵を演じる平氏と、朝子を演じる野村玲子をはじめとした四季を代表する俳優たちが、どういった化学反応を起こしてくれるのかも大きな見どころとなっています。 連日、稽古場では演出家・浅利慶太による力のこもった稽古が続けられています。 「役が自分と離れすぎないようにすること」 「心理的な動きを大切にすること」 言葉や文体を大切にしすぎることで、心理的な表現がおざなりになってはいけない。数ある戯曲の中でも、俳優にとって演じることが難しいとされる三島戯曲。その困難を乗り越えた時、舞台上には世にも妙なる芸術の美が顕現していることでしょう。 これからますます熱気を帯びてくる稽古場で、演技を研ぎ澄ませていく俳優たち。その舞台に注がれた真摯な眼差しは、必ずや素晴らしい開幕を迎えることを私たちに予感させてくれました。 130520roku_002.jpg 開幕に向け、あざみ野・四季芸術センターでは白熱した稽古が繰り広げられています。 6月2日(日)より、自由劇場で催される甘美で知的興奮に満ちた舞踏会『鹿鳴館』。どうぞご期待ください。
(撮影=上原タカシ)

『鹿鳴館』東京公演 自由劇場 6月2日(日)開幕! ◆6月29日(土)公演分まで好評発売中 チケットのお求めはコチラ>> 作品紹介はコチラ

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