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Channel: 劇団四季 四季なびgation 02
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「昭和の歴史三部作」―『ミュージカル異国の丘』の稽古場から

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6月20日(木)に四季劇場[秋]で開幕する「昭和の歴史三部作」『ミュージカル異国の丘』。時代の流れとともに忘れかけられている戦争の悲劇を正面からとらえた三部作の中で、この物語は、60万人以上が強制労働に従事させられ6万人もの人々が最初の冬さえ越せずに亡くなったといわれる「シベリア抑留」をテーマにした舞台です。 130607ikoku_001.jpg 冬はマイナス60度、夏は38度に達する極限の地・シベリア。その至るところに建設された日本人捕虜収容所のひとつに、粗末な防寒服をまといながらも凛とした面影を感じさせる一人の青年・九重秀隆の姿がありました。 父は日中戦争、太平洋戦争という戦火の最中、総理大臣を務めた九重菊麿。彼自身も欧米の政治を学ぶためにアメリカに留学し、将来を嘱望される正真正銘の貴公子でした。寒さと厳しい労働によって、次々に倒れていく仲間たち。それでも、いつか日本に戻れる日を信じて、秀隆は週に100時間に及ぶ尋問にも耐え抜きます。凍てつく体の中で心に灯るのは、愛しい祖国と、ある一人の女性への思い―。 アメリカ留学時代、運命の出会いを果たし愛を交わした女性、その人は、敵国である中国高官の娘・宋 愛玲。許されぬ愛と知りつつも己を貫き、秀隆は和平実現を模索して奔走します。しかし、若き恋人たちにとって、戦争という現実は、あまりにも巨大で無慈悲な存在だったのでした…。 130607ikoku_002.jpg 『ミュージカル異国の丘』は実話を元にした物語です。昭和という歴史の知られざる真実に迫る舞台に、『ミュージカル南十字星』に引き続いて重厚なキャストが集まり、日々稽古に励んでいます。 「涙さえ凍りつく 最果ての白い野に つながれた我が友よ 明日を信じよう」 ナンバーの1フレーズをとっても、「最果て」、「白い野」といったひとつひとつの言葉に対して、台本を読み込みながら意味を深めていきます。 わずか「一銭五厘」で送りつけられた“赤紙”で遠く戦地へと送り込まれ、最果ての地で白樺の枝一本を墓標として眠る多くの先人たち。彼らがもたらしてくれた平和を噛み締めつつ、哀悼と挽歌が、今、奏でられようとしています。 戦争を知らない世代に、その歴史を語り継ぐ『ミュージカル異国の丘』。皆様、どうぞご期待ください。 130607ikoku_003_s.jpg 『ミュージカル異国の丘』東京公演 四季劇場[秋] 6月20日(木)開幕 ◆7月13日(土)公演分まで好評発売中! チケットのお求めはこちら>> 作品紹介はコチラ

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