5月19日(日)に四季劇場[秋]で開幕する『ミュージカル南十字星』の最終舞台稽古が、18日(土)に同劇場にて行われました。劇団四季創立60周年の節目の年にお届けする「昭和の歴史三部作」一挙上演。『ミュージカル南十字星』は、その第一弾となる舞台です。
戦争という悲惨な歴史を経験してしまった昭和。二度と悲劇を繰り返さぬため、「戦争」そのものの実相を語り継いでいきたい。「昭和の歴史三部作」は、そんな切なる祈りから生まれた劇団四季のオリジナルミュージカルです。
その三部作の一つで、2004年に初演されたのが、この『ミュージカル南十字星』。
舞台は日本軍政下のインドネシア、いわゆる「南方戦線」です。学徒出陣として出征した京都大学の学生・保科 勲は、日本から遠く離れたインドネシアで何を思い、処刑台の露と消えたのか?
知られざる激動の昭和史が、静寂に包まれながらその幕を開けました。
まず幕が上がって目を奪われるのは、徹底的に研究され、再現されたインドネシアの文化と空気。美しい衣裳の数々、ジャワ舞踏・バリ舞踏を取り入れたエキゾチックなダンス、本物の水を使って表現される風景。郷愁を誘う「ブンガワン・ソロ」や、現在のインドネシア国歌である「インドネシア・ラヤ」など、独特の旋律を奏でる伝統の音楽も、この舞台の大きな魅力のひとつです。
こうした伝統と文化豊かなインドネシアを舞台に、日本・オランダ・インドネシアの三者三様の思惑が複雑に絡み合い、物語は終幕へと進んでいきます。
無実の罪で投獄され、処刑を待つ保科。故郷の家族と愛しい恋人・リナを残して、今、死なねばならない意味とは何なのか?
南十字星が輝く満天の星空の下、処刑台を上りながら語りかける保科の言葉が観客の心へ伝わった時、物語は盛大な拍手に包まれながら、その幕を閉じました。
戦争を知らない世代がほとんどとなった今だからこそ、語り継がなければならない歴史がある。『ミュージカル南十字星』は、明日19日(日)開幕です。ぜひ劇場でかつての戦争、その中でかつての日本人が生きた日々、そして彼らが切望した平和への祈りと対面してください。皆様のご来場、心よりお待ちしております。
(撮影=荒井 健・劇団四季)
『ミュージカル南十字星』東京公演
四季劇場[秋]
5月19日(日)開幕!
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