6月20日(木)、四季劇場[秋]にて『ミュージカル異国の丘』が開幕しました。
「昭和の歴史三部作」の第二作目として2001年に初演された本作では、「シベリア抑留」という戦後最大の悲劇をテーマにしつつ、総理大臣の息子・九重秀隆と中国政府高官の娘・宋 愛玲の国境を越えた愛と青春の物語が繰り広げられます。
降り注ぐ雨の中、劇場には年配の方から若者まで幅広い層のお客様がお越しになり、ロビーには初日独特の期待と緊張に満ちた空気がありました。そんな中、熱心にプログラムを読んでいる若い世代のお客様の姿も。この「昭和の歴史三部作」には“戦争を知らない世代の方に戦争の実相を語り継いでいきたい”という願いが込められています。ですから、こうして若いお客様にご来場いただくことは、劇団にとって大変光栄なことです。
舞台の幕が上がると、そこは灰色に染め上げられた極寒の地・シベリア。極限の状況下で、いつか祖国に帰る日を夢見て、日本人捕虜たちは明日への祈りを捧げます。中央に立つのは、収容所に11年間拘束され、ようやく日本に帰れるというその日に非業の死を遂げた九重秀隆。日本が痛ましい戦争へと突き進もうとしていた時、彼はすべてを和平実現のために捧げました。アメリカ留学時代、中国高官の娘である宋 愛玲と運命の出会いを果たした秀隆は、戦争の緊張感が高まる中、信念を貫き通し、戦争を回避するための和平工作に奔走します。
ひとつは過酷なシベリアの収容所、そしてもうひとつは華やかなニューヨーク。対照的な舞台が何度も入れ替わり、立体的に交差しつつ、二つの物語が同時にクライマックスへ向けて突き進んでいきます。そして迎える、終幕の時。祖国への愛、愛玲への愛、平和への愛に生きた九重秀隆は、ひとりシベリアの大地に散っていくのでした。
大きな拍手に包まれて初日を迎えた『ミュージカル異国の丘』は、四季劇場[秋]にて、7月13日(土)までの上演となっております。皆様のご来場、心よりお待ち申し上げております。
(撮影=荒井 健・劇団四季)
『ミュージカル異国の丘』東京公演
四季劇場[秋]
◆7月13日(土)公演分まで好評発売中!
チケットのお求めはこちら>>