四季劇場[秋]で上演中の『ミュージカル異国の丘』は、「昭和の歴史三部作」として「シベリア抑留」を題材としたミュージカルです。その公演に、3年半の抑留体験をお持ちの柴田誠三さんがご来場されました。
戦争の悲劇を語り継ぐ作品をぜひ体験者の方にご観劇いただきたく実現した今回のご招待。終演後に、蒋賢忠役・中村 伝と抑留兵の杉浦役・小野功司がお出迎えし、貴重な体験談を伺わせていただきました。
「防寒は外套だけ、それ以外は認められませんでした。ロシア人の現場監督は自分の成績を上げるために『もっと働け、もっと作業効率を上げろ。働かないと日本に返さない、働かないと食事を半分にするぞ』と、暴力こそないものの言葉によって私たちを虐げました。作業能率を上げた者や、一生懸命働いた者は、早く日本に返す。これは嘘で、体が丈夫でしっかり働いた者ほど、さらに奥地へ連れて行かれて森林伐採や鉄道建設に従事させられたのです。ですから、『命のある限りこき使われて、あとは殺されるだけだ』と、私は覚悟していました。また、精神的に一番苦痛だったのは『共産主義にならなければ日本に返さない』と言われたことです。空腹を耐え忍ぶのも辛かった。ロシア人の兵隊は私たちのわずかなパンさえ盗みました。抵抗することもできませんでしたから。
(シベリア抑留者の引き揚げ港であった)舞鶴に帰り着いた時のことは、言葉ではちょっと言い表せません…。あれほど帰りたい、飯を食いたい、水を飲みたいと思っていたのに、日本の山が見えたと同時に懐かしさが込み上げて、もう食事なんて二の次でした。早く家に帰りたい、両親に会いたいという気持ちだけでしたね」
91歳になる柴田さんの一言一句に、じっと耳を傾けた中村と小野。この日伺ったお話は二人から他の俳優へと語られ、より深い舞台とすることで貴重な体験談に報いさせていただきます。
昭和という時代、日本が体験した戦争。決して忘れてはならない私たちの歴史に向かい合う『ミュージカル異国の丘』は、四季劇場[秋]で7月13日(土)まで上演します。皆様のご来場、お待ちしております。
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「昭和の歴史三部作」一挙上演
『ミュージカル異国の丘』東京公演
四季劇場[秋]
7月13日(土)千秋楽
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『ミュージカル李香蘭』東京公演
四季劇場[秋]
9月8日(日)開幕
◆9月8日(日)〜9月29日(日)公演分まで好評発売中!
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