絶好の行楽日和となった5月5日(日)のこどもの日。自由劇場で千秋楽を迎えたファミリーミュージカル『ジョン万次郎の夢』には、多くのご家族連れがご来場され、満員御礼の賑わいとなりました!
カーテンコールの模様
幕末激動の時代で、ひとりの漁師の少年の数奇な運命が日本の未来を切り拓いた、実話に基づく物語。少年の名は、中濱万次郎。漁の最中に遭難し、アメリカの捕鯨船に助けられたことで、彼の運命は劇的な転機を迎えます。持ち前の旺盛な好奇心と誠実な人柄が船長の目に留まり、アメリカに渡った万次郎は、初めて見る近代文明の数々に衝撃を受けます。そして、「人民の人民による人民のための政治」という民主主義を知り、万次郎の夢はさらに大きく広がっていくのです。いつか自分の祖国、日本も――。必死で学び、必死で働き、やっとの思いで日本に戻った万次郎ですが、彼を待ち受けていたのはスパイ容疑と厳しい取調べの毎日でした。それでも万次郎は決して、その夢だけは諦めませんでした。
やがて島津斉彬、勝 海舟、福沢諭吉という仲間を得て、再び力強く走り出していく万次郎。咸臨丸の帆はいっぱいに風を受け、万次郎の夢と日本の未来が、水平線の向こうから輝く夜明けを告げるのでした。
日本で初めてアメリカに渡り、日本の近代化に多大な貢献をしたジョン万次郎。幕末明治の偉人の中でもひと際異彩を放つ奇想天外な生涯を、分かりやすく、楽しく、リズミカルな歌とダンスで綴っていく舞台に、まだ歴史を知らない子どもたちも夢中になって目を輝かせます。そして、広い広い太平洋を股にかけ、夢を信じて理想に生きた万次郎の熱い生き様は、大人のお客様たちの心をも揺さぶり、カーテンコールでは満員の劇場に万雷の拍手が鳴り響きました!
感極まった表情の俳優たちは、「ロビーでお待ちしております!」と挨拶し、客席を駆け抜けていきます。扉を開けてロビーに出たお客様を待っているのは、俳優たちの笑顔。これまで物語の世界にいた俳優たちと、手を取り合って感動を分かり合えるのも、ファミリーミュージカルならではの楽しみです。俳優たちに駆け寄り、キラキラとした目で握手をしている子どもたちの姿は、劇団にも改めてファミリーミュージカルを上演する意義と大切さを感じさせてくれました。
さて、自由劇場では6月2日より『鹿鳴館』が開幕いたします。ファミリーミュージカルの後には重厚なストレートプレイを。
美しい日本語に彩られた華麗な世界――劇団四季が魅せる三島由紀夫の傑作戯曲にどうぞご期待ください!
『鹿鳴館』東京公演
自由劇場
6月2日(日)開幕
◆6月2日(日)〜6月29日(土)公演分
5月5日(日・祝)会員先行予約開始
5月11日(土)一般発売開始
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